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89.機械的その2

バロック時代に「トッカータ」という楽曲形式が流行したのであるが、これも書きながら考えよう、作曲よりまず演奏してみよう、という考え方の最たるものである。実をいうとトッカータはもともと即興演奏を指し、演奏者は聴衆の前でいきなり楽譜なしで弾き始めることも多かった。あれこれやっているうちに、いくつかの主題が偶然飛び出だしてくる。今度は、それをフーガやパッサカリアという型式にはめ、やはり即興にて展開する。結果的には、堂々たる作品が演奏しながら生まれてくるわけである(発散と収束)。バロックの作曲家が多産な理由はここにある。

心理学者アブラハム・マズローも、書きながら考える典型的人物であった。自身がそう語っているのみならず、その文体からも十分伺える。正直いうと、マズローの文章はたいへん読みにくい。論理的にまとめていこうというより、何か新しいことを発見するまでのプロセスに注力しているからである。これは瞑想録といったほうがよいのではないか。彼の場合は、PWをそのまま主著にした印象である。

ヒルティも仕事の技法について「何よりも肝心なのは、思いきってやり始めることである」とアドバイスしているが、確かに我々は毎日なんとなく考えているだけで、実際には何もしていないことが多いものである。仕事とは、思考の記録にほかならないとすれば、記録されない思考は、どこにも存在しえない。つまり、何もしていないのと等価であろう。

「なにかすごいものを作ってやろう」「気の利いたことを思いついてやろう」といった気負いを取り去り、思考のスタートを切りやすくしてくれるのもPWの利点である。著者は「肩の力を抜く」「90パーセントの力で」「期待値を下げる」といった言葉で表現しているが、そういうときこそ、最大限の力が発揮されるのは誰しも経験するところであろう。 (2004.02.16記)

ハードルを下げると高く飛べる

アウトプットを増やすこつ。生産性をあげるこつ。ハードルを下げる。つまり自分への期待値を下げる。 いつまで...

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