ボリュームがまたすごい。ふつうのお店であれば四人前で出てきそうな物量だがこれがたったの650円。豆腐一丁丸ごとブチこみ、キムチ、ニラで甘辛く仕上げてある。真っ赤なスープを一口すするだけで、五臓六腑にしみわたる思いだ。アツアツの絹ごし豆腐がこれまた疲れた胃に負担なくおさまってくれる。
スープを口に運び、額の汗をぬぐう。この作業を十回ほどくり返すころには、もう二日酔いなど記憶の彼方であろう。ただひとつ問題があるとすれば、食い過ぎで身動きがとれなくなることである。タッパ持参で半分ほど持ち帰り、夜中に一杯やりながら食するのがまたいい(結局飲むのですかっ)。
他のメニューも同じノリで、「豚キムチ定食」もステーキ皿にてんこ盛り状態でやってくる。食い残しはテイクアウトできるので、キムチチャーハンの具にするのが常連さんのかしこい作法だそうだ。「石焼きビビンバ」はいちばんの人気メニューで、いつもジュージューと焦げた音が店内に響いている。
隣には韓国料理専門店「楽々苑」が軒を連ねているのだが、品揃えもかなりバッティングしているので「金根勘」にけっこう客足をとられているだろう。楽々苑のほうが本場の味だが、どうしてもボリュームと価格でこっちに流れてしまう。
わしのお気に入りは550円の「クッパ(韓国風雑炊)」と150円のコーヒーで合計700円ナリの自称「なごみセット」。ダイコン、ニンジン、シイタケ、ネギ、カイワレ、タケノコをたっぷり投入してあり、万年野菜不足の独り者には誠にありがたい。コーヒーがまた本格なのに安い。オカミサンがけっこう好きらしく、地元の人気専門店「スペシャルティー珈琲豆屋 はちや珈琲」から直接買い付けしているとのこと。「なごみセット」の良さは、クッパで腹八分目にとどめておき、あとは書き物などをしつつゆっくりと珈琲の香りを楽しめることだ。無愛想だがサービス満点のオカミサンが、たのまなくてもおかわりをドブドブと注いでくれる。たまに窓の外に目をやり、日差しと植物を愉しむ。
金根勘はもともと明大前の超人気店だったそうで、なぜ三鷹に移ったのかは知らない。しかし明大前というロケーションから考えると、この値段でこのボリューム、おそらく若者が大挙したであろうことは想像に難くない。あまりの忙しさにご夫婦二人きりでは切り盛りできなくなったのであろう。夜はライブハウスとしても利用されているのは当時のつながりか。友人たちに「食にはこだわらない」と公言しているわりには、ずいぶんと書き連ねてしまった。実は「うまいもん好き」なのであった。安ければなおよろし。
庶民チックな三鷹ならではのお店です。
ぐるなび - 金根勘 きんこんかん(地図・クーポン)
三鷹駅南口より徒歩8分
三鷹市下連雀3-20-7浜中ビル
0422-49-0120
11:30〜23:00
月曜定休





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