あるとき、私たちは医学生に病気であるということはどういうことかを実際に体験させるため、変名で入院させることにしました。彼らは入院手続きをし、患者を装ったのです--このことは倫理面で問題なしとはしませんがね。彼らが入院して数日間を過ごした結果、私たちは重大な発見をしたのです。彼らは病気になったことは言えないにしても、入院で経験したストレスでよれよれになって出てきたのです。
--医学生たちは何を感じたのですか?
ベッドに横たわり、ふだんならとても考えつかないような方法で他人の世話を受けて、彼らは恐怖と、自分がしだいに受け身になっていくのを感じたのです。そして、主体性を奪われ、自分たちは人間として扱われていないと感じたのです。患者が感じるストレスは、並はずれたものです。私たち医師は、このことを過小評価しているか、忘れがちなのです。
ビル・モイヤーズ『こころと治癒力 心身医療最前線』p33 草思社





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