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年寄考

8月は結局、WBC:300〜400あたりをウロウロと徘徊して終わってしまった。今から思えばほんとに大部屋でいいの? というヤバイ数値であったわけだが、案の定、感染してしまったわけで、こればっかりは自分のせいではないと思っている。もっと早く個室に入っていれば、とも考えたが、後の祭りでなんともならない。

なぜ今回はこんなにダメージが大きいのか。先生がいうにはイダマイシン(ファンタオレンジのことね)が今回はガツーンと効いてしまったみたいで、いまだに毒が抜けきってないらしい。

口内炎が痛くてメシは食えないし、足萎えにはなるし、頭痛とめまい、動悸のうえに白血球不足で起きあがれない。もうさんざんな目にあった。でも、ちかごろ目に見えてよくなってきたと自分では思う。親しい患者さんからも、「おお、眼に輝きがもどってきたぞ」と励まされたりしている。そろそろ数値にも湧き出してくるんじゃないか。今日の採血結果に期待である。

今週末の一時帰宅をひそかにねらってはいるが、その前に、また大部屋に移される心配がある。朝の回診のときに、「次は4人部屋でおねがいします」と先生には念押ししておいたものの、こればかりは婦長とか看護師とかの微妙な重力によって決定されるものだから、当日になってみないとわからない。

4人部屋のいいところは、まず海がみえること。それから、年寄りがいないこと。糖尿野郎がいないこと。糖尿者のごとき、便所で手も洗わないような不潔きわまりない連中と、白血病でヒイヒイ言ってる人間を同室の、しかも隣同士とかに放り込むのはやめてほしいものだ。また、年寄りのごとき、耳が遠くて声の大きい、イビキのデカい、尿を溜め、痰をはき、屁をこくやっかいな物体と始終いっしょになるのも疲れる。年寄りにはやさしく、なんていうのは身内か健康者の論理であって、病人にはただのストレス源でしかない。なるべく避けるべきである。

これから高齢者社会になるのは間違いないのだから、病院のなかもますます年寄りだらけになるはずである。そこではもう、看護がただの介護になり果て、看護師はますます理想と現実とのギャップに落胆し、勤務初年にして退職というパターン(すでにこうなっているとか)が多くなるだろう。ベッドの空きもほとんど確保できないという状態が慢性化し、ますます医師と看護師が家に帰れなくなるだろう。

こうなってくると、まずはいかにして入院させないか、という考え方がクローズアップされてくると思う。もうすでに始まっているが、ちかごろは化学療法も外来で済ませ、年寄りであってもそのまま家に戻すようなやり方が普通になっている。

数年前、母が腸の手術をしたときも、本人はもうちょっと置いてくれと頼んだにもかかわらず入院4日目にして追い出されてしまった。一見、非常なやり口にはみえるけれども、家にもどった母は何事もなかったのように台所に立ち、そのまま快癒した。やはり人間は病院に長居してはいけない。生活の場にすみやかに戻るべきだと思った。

これは看護師である姉から聞いた話である。ある年寄りが無事に退院の日を迎えたのだが、身内のものが誰も迎えにこない。話をきいてみると、農繁期でいま家に戻られても手がかかってやっかいだから、そのまま置いといてほしいというのである。そうこうしているうちに、その年寄りは転んで骨折してしまい、また再入院するはめになってしまった。

家に帰っても居場所がない年寄りほど哀れなものはない。病院にいれば、看護師がなにくれとなく世話をやいてくれるし、話し相手にも事欠かない。家に帰りたくない年寄りは今後ますます増えると思う。家族の側でも、介護なんてできないから、できるだけ病院に縛りつけておきたいと希うようになるだろう。

大部屋に居たときにちょうど真向かいだったNさんなどはその典型で、寝たきりの方だったのだが、奥さんが最初だけちょこっと顔を出して、その後ほとんど来なくなってしまった。来たとしても朝の数十分だけですぐ帰ってしまう。その奥さんからは「はやく死ね」オーラがつねに発散していてちょっと怖かった。死なないまでも、病院にあずけてラクになりたいというのがみえみえだった。

こんな光景を目の前でいくつも見ていると、おのずとわが身を案じないわけにはいかなくなってくる。スパゲッティみたいにチューブをつながれて、ベッドに拘束され、長きにわたって家族に経済的、心的、労的負担をかけ、しかも看護師さんの手をわずらわすよりならば、私は迷わず尊厳死をとる。でも意識不明になってからでは私の意志を確認できないだろうから、今ここで明言しておく。「私は尊厳死を選択します」。

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