記事のカテゴリ:

 

Day100の出来事

先日、顔見知りの患者さんが亡くなりました。
移植してからずっと無菌室を出ることができず、みな心配していました。
いちど車椅子に乗って検査にいく姿をみかけましたが、点滴台に輸液ポンプがまだ4台くらいついていました。

自分とおなじ骨髄異形成症候群で(私はさらに白血病に移行しましたが)、自分とおなじくHLAが一座不一致という条件での移植ということもあり、かなりショックでした。歳だって私より若いのではないかと思います。朝から身体の力が抜けてしまい、虚無感のため無表情になってしまいました。

もう一日生きたい、と思っても、明日がない日がいつかやってくる。これは万人に平等である。しかし、せめて娑婆の空気を思い切り吸ってからじゃだめなのか。死神もそれくらい待ってやれないものなのか。無菌室のなか、独りで拷問のような治療を受けて、そのまま亡くなるなんて納得いかない。怒ってもしょうがいないにしても、アンディ・パートリッジみたいに「Dear God !」とシャウトしたくなった。

最初は喪に服そう、と思いましたが、給湯室でコーヒーを入れながら考えました。「この一杯の珈琲を味わうことだって、今日生きてないとできない。明日はないかもしれないんだ。喪に服すより、生のヨロコビをひとつでも多く味わおう」と。

就寝前、いつも次の日の予定をノートに書き込みます。予定といっても「朝メシ」とか「フロ」とか「ボナロン(※)」とか、毎日の繰り返しを何度も書きます。いままで朝の予定にただ「コーヒー」と記してましたが、これからは「生きてるコーヒー」にしました。

もうひとつ、今日うれしかった出来事を書き留めることにした。どん底の一日でも何かひとつはいいことがある。なかったら無理矢理ヒネリダシする。「少女ポリアンナ物語」にでてくる「よかった探し」の真似事です。ちなみに米国では「パレアナイズム」という単語にまでなっているらしい。

今日は武富士が負けたし、カワイイ看護師さんも来てくれないしで、ネタに困っていましたが、ブログを書きながら「そうか、移植後100日までなんとか無事にというか生き延びたこと自体がウレシイことだ」と気がついた。こりゃお祝いだ。そういえば、退院したヒトからもらったノンアルコールビールがあったな、と独りで乾杯。

亡くなった患者さんとビールをくれた患者さんが同じ名字であることに妙な符号を感じた。

※ボナロン
骨粗鬆症予防薬。ステロイドの投薬が長期になると、骨が生成されるよりも溶け出す割合が大きくなってしまうため、移植後2ヶ月超になるとたいてい飲まされる。厄介なのは飲み方が面倒なこと。

1.朝起きたらすぐ飲む
2.150〜200mlの水で飲む
3.飲んだら30分横になってはいけない

これを遵守しないと、消化管がやられて胃潰瘍になったりするという、とにかく神経を使うクスリの割には名前が脱力しててムカつく。

ギューッとしたい人

結婚するならどんな人と結婚したいのかなあと思案していたら、あ!っと思いついた。 ギューッとしたい人だ。思...

ぼくのドクター2「T先生と大ちゃ...

ぼくのドクターのお師匠さんであるT先生の話を前にチラッとしましたが、実は「大ちゃん」というある患者さんの...

入院点取り占い

先月の入院中、ツイッターで「入院点取り占い」というものを描こうかと思いついた。つまりは排毒行為である。...

できたことのみ数える

カラダ具合の悪いときは、あれもできない、これもできないと考えるのではなく、ひとつでも何かやったらそれぞ...
 

レコメン魂

  • Kamikaze 1989
  • Pinnacles
  • 80年代TDサウンドの核 PPG
  • Exit
  • Hyperborea
  • FAMILIAR COMPUTING WORLD
  • EGGレコード抜き書き
  • Ignacio
  • Bruits et Temps Analogues