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自立への出発

反対にあったら、今までと違った反応をしよう。それは「あなた」という言葉ではじまる。

 たとえば、自分のいうことに同僚が賛成せず、腹を立てているとする。こういう場合に、自分の立場を変えたり弁明したりするのではなく、こんな具合に答えてみるのだ。「○○さん、あなたは気が立っている。あなたは私の考えがまちがっていると思っている」

 そうすることで、反対するという行為の主体は父親であって自分ではないという事実を心にとめておくことができる。この「あなた戦術」はどんな場合にも利用でき、テクニックをマスターしてしまえば驚くべき効果が得られる。つい「私」という言葉ではじめたくなる誘惑がつきまとうだろう。しかし、「私」を主語にすれば、相手の賛同を得るために、自分が今いったばかりのことを弁解したり変えたりする立場に立つことになってしまう。もし、誰かが是認や同意を差し控えて自分を操ろうとしていると思うなら、そう指摘すれば良い。「ふだんなら、こんなときは、気に入られるために自分の立場を変えようとするのですが、私は今、自分のいったことが正しいと心から信じていますから、そのことについて何か感じられたら、その感情はご自分の問題として扱ってください」

 あるいは、「今、私がいったことを変えさせたいとお思いでしょう」というのもよい。こうして明示すれば、自分自身の考えや行為を常に把握する助けとなる。自分の成長に役立ちそうな事実を提供してもらったら、たとえ気に入らない事実であっても、提供してくれた人に感謝することだ。感謝の気持ちをあらわすと、その時点で、賛同を求める気持ちのほうはなくなってしまう。

 たとえば、夫に、「お前は内気で神経質だ、そういうとことは気に入らない」といわれたとする。そのとき、夫の気に入ろうとするよりも、それを指摘してくれたことに対して、感謝するだけでいい。そうすれば夫の賛同を求めようとする気持ちなど消し飛んでしまう。積極的に他人の反対を求めれば、反対にあっても立腹したりしない自分をつくることもできる。必ず反対しそうな人に目をつけ、その反対にあえて立ち向かい、それでもなお自分の立場を穏やかに保つようにする。そうすると立腹せず、しかも自分の意見を変えずにいることが、次第に得意になる。

 他人の反対を避けるのではなく、むしろその後を追うことによって、反対を効果的に処理する態度のレパートリーを増やしていくことができる。他人の反対はこれを無視するとか、あるいは人を非難して自分の思い通りに人を操ろうとすつような人間に対して、一切注意を払わないこと。反対を受けたら、次のような質問を自分に対してしてみること「もし、この相手が賛成してくれたら、もっと気分がいいだろうか」

 その答えは明らかにノーである。相手がどう考えようが、こちらにその気がなければ、何ら影響は受けないはずである。さらに、上司とか好きな人など、自分にとって大切な人たちに気兼ねなく反対意見が述べられれば、よけいに気に入ってもらえるものだということがきっとわかるだろう。大勢の人が自分を理解してくれることはないだろう。しかし、それはそれでかまわないという単純明快な事実を受け入れる。逆にいえば、自分に身近にいる大勢の人間を理解することもないだろう。またその必要もないのだ。

 他人が自分と違っていてもかまわない。私たちに理解できる最も基本的な事実は、自分は理解できないということなのである。グスタフ・イシュハイザーは「外観と本質」で次のように述べ、この点をあきらかにしている。「......互いに理解し合っていない人たちが、自分たちはお互いを理解していないということだけでもわかっていれば、互いに理解し合わず、しかも理解しあっていないということさえわからないときよりは、お互いをよく知っているといえる」自分の立場の正当性を論じたり、誰かに納得させようとしたりせず、ただそれを信じる。自分が述べた事実を、夫や妻、あるいはその他の誰かに確かめて、裏書きしてもらうことをやめる。たとえば、こんな具合に。「ねえお前、そうじゃないかい」「そうだったわね、ウルフ」「マリーにきいてごらんよ。きっとそうだっていうよ」他人の同意を求めるようなふるまいをしたら、必ず声を出してそれを正す。そうして、自分の依存的な傾向を自覚し、新しいふるまいの習慣をつける。自分が今いったことに対して本当に悪かったと思っていないときでさえ、ついつい謝ってしまうのをやめるようにする。謝ることは許しを求める口実であり、許しを求めることは、是認や同意を求めることなのである。

 謝るのは時間の無駄である。誰かに許してもらわないうちは、気分が落ち着かないというのなら、自分の感情をその人たちに支配されているわけである。こんなふるまい方は二度としない。自分のふるまいを的はずれだと思わないと決心しているかぎり、謝るという行為は、自分の感情を他人の支配にまかせる。

ウエイン・W. ダイアー (著)、渡部 昇一 (翻訳) 『自分のための人生 』 三笠書房

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