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残しちゃいけないもの

6月24日放送の「プロフェッショナル 仕事の流儀」で、専門看護師の田村恵子さんが「心残さず、生ききる」という言葉を話されていた。

末期ガン患者との最後の時間を何千回と経験されたなかでたどり着いた言葉であるという。

自分の臨死体験と重ねて
ちょうど昨年の6月、わたしは間質性肺炎によって意識を亡くしていた。いや、実際にはモルヒネによって半覚半醒の状態にあったのだと思う。つねに幻覚に悩まされた。いや、幻覚だったのかどうかもわからない。あるものはまさに臨死体験としかいいようのないものだった。幽体離脱も繰り返し、自分の肉体を外から何度も眺めた。

このときの記憶はいまでも私の恐怖の源泉であるとともに、生きるということ、死ぬということは何なのかを教えてくれた神秘体験でもあった。この日いらい、迷いはなくなった。そして、死んだあと何が残るのか、何を残しちゃいけないのかという自分だけの原理ができていた。

このときの臨死体験からたどりついた確信と、田村さんのことばとの一致におどろいた。いや、こういうと番組を見ていない人が誤解するから、自分が勝手にそう思った、そう思いたかったとしておきたい。

地獄の性質
意識を亡くしている間、自分が死んだ夢をさまざまな設定で何度も体験した。今でも書けるくらいに微細にわたりよく記憶しているので、存外夢ではないのかもしれない。いずれにしても、瘡蓋のごとく自分の身からきれいに剥がしたい忌まわしい記憶ではある。そのうち文字にでも排泄しきってしまいたい。

何度も死んで、いろんな地獄を体験してわかったのは、長生きしようが、若死にしようが、つまるところ肝腎なのはまさに死ぬ瞬間にのぞんだら、絶対に悔いを残してはいけないということだった。悔いだけではなく、恨み、憎み、苦しみ、嫌い、といった感情を残してはいけない。いままで逃げてきたもの、避けてきたもの。そういう心の波動は死後も永続する。それが自分の体験した地獄の数々だった。

地獄といっても、鬼や悪魔がいるわけではなく、現世で一番嫌っていたもの、逃げてきたものに永遠に苦しめられるのである。「地獄は全室個室」と前に書いたのはそういう意味だ。毎日毎日、自分専用の苦しみが永遠に繰り返される。地獄の大きな特徴のひとつは、この単調さにある。

魂は自分ではない
人間には魂というものがあると私は思う。でもそれは、もともと自分のものではない。それを浄土宗では「他力」といい、キリスト教では「神」、アボリジニなら「ドリームタイム」というかもしれない。

とにかく自分の肉体や、心というものを生かしてくれたエネルギーのようなものであり、それはもともと生きてもいないし、死ぬこともない、永遠のものだ。いっぽう、心は死に、自我は消える。心はわれわれひとりひとりが造りだしたものだからである。むしろ死すべき、殺すべきなのだ。

しかし問題は、死なない心が残ったばあいである。どういうしくみでこんなことが起きるのか、私にはわからない。しかし電磁波はエネルギーに変換されない限り永久に振動することができるし、シンクロニシティなどの論をまつまでもなく、ある種のみえない信号が生命間を行き来しているのは証明できずとも、否定もまたできないと思う。

交通事故などの、不慮の事故のばあいはどうなんだ、と問われるならば答えに窮する。そのとき心はどうなるのか、私にはわからない。自分が死んだことさえよくわかっていないのかもしれない。そんな心のために導き手がいるのかもしれない。

自分の夢のなかには死者がいっさい登場しなかった。あそこでもし亡父と会っていたらいまこの世にいないかもしれない。だから私はこの点について語る資格をもたない。

刹那を納得して生きる
人生の道なかばにして余命数ヶ月という病に襲われ、「ガンになっただけの人生だ」と患者が絶望していても、「希望はかならずみつかる」と田村さんは朗らかに語る。「心」は自分がつくりあげたものである。だから希望もみずから創りあげることが必ずできると私は勝手に共感した。

死は、自分でつくることができる。地獄を天国に変えることができる。だから自分の納得する死を迎えるため、心という波動を残さないためには、今この瞬間を生ききるという「ただいま」にいきつくことになる。

「今日を精一杯生きてないのではないか」という漠とした不安こそ、現代人の特徴であるように思う。

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