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モルヒネ半覚半醒記2-2

(注)「モルヒネ日記」とは、ぼくが危篤で半覚半醒になったときに見た悪夢を見たとおりにそのまま書いたものです。もちろん実在の人物や団体とは一切関係ありません。ただ書くという行為により恐怖の記憶を排泄せんとするものです

オレはまた目覚めた。

そこは眩しい光で満たされていた。色はなかった。
部屋全体がクリスタルでつくられているようだった。

体が動かない。眼球も動かなかった。
そして、視界のなかにかろうじて見える自分の肉体に愕然とした。

オレの肉体は、石膏トルソーのごとく四肢を切断され、透明な円形アクリル台のうえにオブジェとして安置されていた。十ミリ刻みで細かくスライスされ、断面をわざとずらしてあり、製作者の高度な技術をこれ見よがしにアピールしていた。

そのときである。見覚えのある医者の顔が視界にぬっとあらわれたのだ。

「Xちゃんカットォォー!」

医者Xはニヤニヤしながらわざとふざけた言い方をした。そうか、オレの体を切り刻んだのはコイツだったのか。オレが死んでもまだ怖いか。こんな手も足もでない有様にならないと、オレの前に顔すらだせないのか。

しかし、声は声にならず、内に響くだけであった。医者は動けないオレを見下ろしながら、なにか言いたくてうずうずしているといった様子であった。

naraさんが死んだのは、naraさんのせいなんだよ。

naraさんはいつも一つの方向しかみることできなかったでしょう。世の中は右も左も、上も下も、いろんな方向があるんだよ、でもnaraさんはいつも右しかみてないんだもん。

それからnaraさんは誰かほかの人に話しかけれられるまで待っているだけで、自分から人に話しかけたりしないでしょう。

だから死んだんだよ

そうか、あの列車のなかで窓以外の方向をみていれば、生きる可能性あったんだ。天井とか座席の後ろとか、360度だけでなく上下方向にも首は動くんだ。これまで生きてきて、だれも教えてくれなかった。死んではじめてわかった。

人にしてもらうのが当たり前で、自分からは誰にも、何にもしてあげなかった。オレは、オレは何もできなかった。何も残せなかった。

それもぜんぶ自分のせいなんだ...

モルヒネ・ヴァリエーションズ2-...

(注)「モルヒネ日記」とは、ぼくが危篤で半覚半醒になったときに見た悪夢を見たとおりにそのまま書いたもので...

モルヒネ・ヴァリエーションズ1-...

(注)「モルヒネ日記」とは、ぼくが危篤で半覚半醒になったときに見た悪夢を見たとおりにそのまま書いたもので...

モルヒネ・ヴァリエーションズ1-...

(注)「モルヒネ日記」とは、ぼくが危篤で半覚半醒になったときに見た悪夢を見たとおりにそのまま書いたもので...
 

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