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カントとチーズ

...食事の一皿目はスープ、二皿目は煮た豆や魚、三皿目が焼いた肉で、飲み物はワイン。食後のチーズは、カントにとってかかすことのできない大好物である。

食事は一日にこの昼食が一度だけ--。カントは、上等といえない調理の食事でも非常においしく食べる(ヤッハマン)という点に関してだけは、極東の凡庸な一物書きにすぎない当方も、完全に一致する。

有名な散歩は、この食後に行われ、夜はあまり難しくないものを読み、十時にはかならず寝床につく。

死の直前、カントは好物のチーズを食べすぎて腹をこわし、危篤状態に陥った。とうぜんチーズは禁じられたが、八十歳のカントは承知せず、身の回りを世話をするヴァジンスキーに、「少しでもチーズをくれれば一グルテン、一ターラー、いやそれ以上出してもよい」と強要し、「私には確かにその金がある」と自説の論理的証明を試みるのであった...。

長部日出雄『反時代的教養主義のすすめ  』 P167 新潮社

 

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