チラシ裏に殴り書きにした「買物リスト」をみていたら、「ポトリ」とあった。筆跡からして明らかに書いたのは自分である。これはたぶん「ポカリ」のことだナー。
筆が流れるというか、すべるというか、意識のちょっとした隙をついて無意識の世界がほんの一文字ぶんだけこの世に出現する。言いまちがいもおなじ原理だと思う。おそらく「ポ」とくれば「ポトフ」というぐあいに脳内シナプスが活性化してしまったのではないだろうか。大寒にはやはりポカリよりポトフだよナーと、間違いながら道理があるとおもった。
後日、母から渡された買物リストにも奇妙な単語が混じっている。この「ユスリ」ってなんだ? 当人にたずねても、何のことか自分でもわからなくなったという。半日ほどして、どうやらユズの"ズ"の濁点を大きく書いたらしいとわかった。
しかし近所のスーパーで結局ユズは見つからず、なぜ濁点だけ大きく離して書いたのかという謎だけが残った。
ポトリはポトフに流されたが、「ユスリ」はいったい何をめざしていたのであろうか。
追記:「ヤスリ」か「アカスリ」ではないかと母は言うのだが...





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