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派遣会社

マイケルは高卒のトラック運転手だった。食費を切りつめてやっと中古のトラックを手に入れたが、給料は安く、妻と息子を抱えた生活は苦しかった。妻は近所のレストランでフルタイムのウェイトレスをしていたが、10歳の息子は体が弱く、しょっちゅう医者にかからねばならない。...

...半年前に息子が骨折して手術を受けた時、医師から送られてきた請求書の額はマイケルの支払い能力をはるかに超えていた...(P148)

「素晴らしいお仕事の話があるんですがね」(P147)

マイケルが登録した派遣会社の名は「ケロッグ・ブラウン&ルート社」(KBR社)といい、その時点で登録している派遣社員数は六万人超、週に平均200人から300人の社員をイラクやアフガニスタンに送っていた。(P152)

「もし現地での勤務中にあなた方が事故などでお亡くなりになった場合には、たとえば可能性は非常に低いですが、化学兵器や放射性物質などによって死亡した場合には、本国への遺体送還はあきらめていただくことになります」(P151)

「これは戦争ではなく派遣という純粋なビジネスです」とリクルーターは説明した。(P153)

10カ月を過ぎる頃、マイケルは勤務中、胸に鋭い痛みを感じるようになった。...マイケルたち労働者は現地の水を飲むよう会社から言われていた。米兵が使用する劣化ウラン弾の影響で放射能に汚染されている水である可能性が高いという。(P153-154)

帰国後も体調は悪化を続けた。マイケルは医療保険に入っていなかったが、妻の説得でやむをえず医師をたずねた。診断結果は白血病...派遣で稼いだ給料はあっという間に底をつき...

現在、マイケルは家でほとんど寝たきりで妻は昼間と夜の両方働いている。家族はアパートを出てトレーラーに引っ越し、政府が発行するフードスタンプで何とか食いつないでいる。(P156)

予備兵や州兵が思うように集まらない時の米軍にとって、民間戦争請負会社への業務委託は大幅のコスト・カットが実現するだけでなく、アメリカのイラク派兵に反対を唱える同盟国との間の軋轢なしにその国から戦争を支える労働者を得られるという一石二鳥となる。(P167)

...株主総会を開いたハリバートン社CEO(*)のデイビッド・レサーは、前年の同社のイラクにおける戦争関連事業の売り上げが、日本円で約7500億円を超えたことを発表した。(P168)

(*)ハリバートン社傘下の派遣会社のひとつが前段にでてくるKBR社。

堤未果 『ルポ 貧困大国アメリカ  』 岩波新書

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