物は乏しいが、空は青く、雪は白く、林檎は赤く、女達は美しい国、それが津軽だ。私の日はそこで過され、私の夢はそこで育まれた。
石坂洋次郎『わが日わが夢』
五木 弘前と青森で、女の人はだいぶ違いますか。弘前のほうが典雅だというふうにみんな思ってますが。
長部 いちばん美人が多いのは西北部の新田地方ですね。海岸にいくほど綺麗です。やはり昔はあっちのほうが表側で、鰺ヶ沢とか十三とか小泊とか、港がありましたから、いろいろな血が混じっているせいではないですか。
弘前に聖愛という私立の女学校がありますが(*1)、ここに来るのはみんな在からきているんです。鰺ヶ沢あたりからも、五能線に乗ったりして。ここの生徒達が帰るとき、駅に向かって列をなして歩いて行くわけですが、この列に向かって逆に歩きますとね、まあ綺麗な生徒が多いんです。安岡(章太郎)さんがみえたときに、とにかくこの聖愛女学校の退ける時間に、学校に向かって歩いて行ったら分かりますから、というわけで歩いてみましたが、安岡さんもずいぶん関心してましたね、こんな綺麗な子が多い学校もめずらしいって。
...ちょっと不良っぽいんですよ。当然、男子のほうも県立の女学校なんかよりずっと憧れるわけです。セーラー服の前の部分をちょっとあけていてね。これでうなされるわけですよ、夜中に(笑)...
五木寛之・長部日出雄「津軽と九州の間をスウィングして...」
『津軽 文学と風土への旅』 学研 1978
(*1)2000年より共学





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