「我々の文明にとっての最大の脅威は、無教養な専門家による脅威である。彼は専門家であるという理由で敬意を払われる。彼の助言は、狭いながらも彼の専門性のゆえに、専門でない分野についても耳を傾けられる。しかし、彼は他の分野のことは何も知らず、自分の専門分野との関係も知らない。彼はしたがって自分の専門分野以外においては、ほとんど愚鈍な子どもと同じである。(エドワード・ハッチンス「対話文明を求めて」)」
このスピーチは、オピニオン・リーダーを前にしてなされたものだが、この現代教育の病理はなにもリーダー育成に限ったものではなく、教育一般の問題である。彼はこの病理を克服するために、1968年に「学習社会」を著し、生涯にわたる教養教育、自由学芸教育の重要性を提起したのである。
松田義幸『脱産業社会(レジャー・ソサエティ)に向けての課題4』
松田義幸公開論文より