気がついたら列車の座席に座っていた。
車窓から外を眺めると、線路が何本も並んでいて、塀の向こうには巨大な発電機が幾台もみえた。どこか大きな駅に停車しているようだった。
車内に乗客は誰もいない。
そのまま一日が過ぎた。
翌朝も変わらぬ風景だった。電線で分断された空もおなじく曇っていた。
そんな日が数日続いた。列車はいつまでたっても始動する気配はなかった。
...何か変だな。何も変わらないっていうのは。この列車は何で動かないんだ。そもそもここでオレは何してるんだ。何でこんなところにいるんだろう。
窓枠から見えるのは毎日まったく同じだ。これが毎日続くならほんと死んだほうがマシだな......あ、オレ死んだのか。そうか、オレ死んだんだな。思い出してきた。そういえば病院にいたもんな。ということはここは地獄なのかな。もう死んだんなら自殺もできないってわけか...困ったな。未来永劫ここから出られないのか。何万回と同じ一日をここにいるんだ。線路だけ眺めて。
いやあ人間てけっこうあっけなく死ぬもんだな。死に際に誰にも会えなかったな。お母さんに悪いことしたな。
どうやって死んだのかな。呼吸が苦しくて人工呼吸器に同意したとこまでは憶えてるんだけど。午後からぜんぜん記憶ないし。息が苦しくてもあのまま我慢すればよかったのかな。そうすれば死ななかったかもな。人工呼吸器って意識もなくなっちゃうんだな。知らなかったな。
でも明日になればなんか新しいことないかな。もう一日だけ耐えてみようかな...
そんな日がまた幾日も続いた。空は曇ったままだった。