印刷博物館 / Printing Museum, Tokyo
先日、打合せのため飯田橋方面にいってきた。まちがえて1時間もはやく着いてしまったので、周囲を圧してそびえたつトッパンビルへ直行。おめあてはもちろん印刷博物館です。
ラスコーの壁画からデジタルメディアまで、現物を一望できる場所なんて世界でもそう滅多にないとおもう。わしがとくに「おおーっ」って感動したのは、木版印刷のクオリティ。リトグラフやシルクスクリーン、銅版画よりもシャープで、コントラストがきわだっている。ヘアラインを彫刻刀で表現する職人技には感服した。
打合せの時間がちかづいていたので、後ろ髪をひかれるおもいでビルをあとにした。活版印刷の無料ワークショップもやっているらしいので、こんどは1日中いりびたってみたい。
紙と羊皮紙・写本の社会史
判型:A5変型判 頁:336
定価:3465円(本体価格:3300円)
編著:箕輪成男 著
ISBN:4-7852-0114-2 C3000
出版ニュース社
寿命が伸びたので、我々の時間の感覚が変わってきたのではないかと思われる。昔は一年がすごく永く、十年前はひと昔といわれた。その頃百年前というと、はるか遠い遠い昔のことに思われたものだが、いま筆者自身が喜寿の年まで生きてみると、自分がこれまでに経験したと同じ時間をもうひとつ遡れば、150年前、勤皇佐幕いり乱れた幕末騒乱の時代になる。
同じ時間をたったの五回くり返せば、400年前の関ヶ原に行きつくし、十回では一挙に平安時代の末、清盛の没落にたどりつく。この計算でいくと人類最初の文明といわれる5000年前のシュメールも、60回ほどくり返せばよいことになる。まさにアッという間のことである。
5000年前がつい昨日のことだということは、逆にいえば、シュメール時代の人々の生活や文化は、今日に比べてそれほど幼稚でも古拙でもなかったのではないかと考えられるということだ。たしかにシュメール文明にはすでに文字が生まれ、手紙が書かれ、家畜の数を記録する帳簿から本まであったのだ。(P24)
台風や地震に翻弄されて大変な一週間だったけど、なんとか終了。朝日新聞に記事が掲載されたせいか、日曜日は電話の問い合わせが多数あり、客足もとぎれることなく順調な入りで、立ちっぱなし、喋りっぱなしの一日だった。隣室で個展を開いている先生の顔はすでに疲弊しきっている。接客というのは本当に大変だと思った。これを生業とし、毎日こなしている人を心底尊敬する。
はじめての展覧会ということで反省点も諸処あるが、まずは我々の拙い作品を見て下さった方々すべてに篤く感謝申し上げたい。また今日からがんばります(仕事しろよ)。
MG西欧カリグラフィースクール
中世の写本に興味を持った人間には避けて通れない学校。わしも来季よりぜひ通いたいと思っている。額縁と絵画は工房LAPISで勉強できるのだが、カリグラフィーとイルミネーションはやはりそれ専門の研究者の指導を仰ぎたい。
問題はわしが左利きだということである。初心者講習の問い合わせをしたら、「当校にも左利きの方がいらっしゃいますが、みなさん右で書いています」との返事だった。しかし、そう簡単に利き手じゃない手で普通に書けるものなのだろうか。
左利きでもカリグラフィーは可能だ、と心強い立場を打ち出しているのがVance Studley著「Left-Handed Calligraphy」である。さっそく読んでみたが、紙を傾けたり、ペンの持ち方を工夫したりして、書体に応じた角度さえ確保できれば、基本的には左利きでも文字は書けるとのことだ。
問題はMGでこの書き方を認めてくれるかどうかである。ここはやはり一度見学してくるしかないであろう。
工房 LAPIS 展
期間:10月19日(火)〜10月25日(月)会期中無休
時間:11:00am〜6:00pm(最終日は4:00まで)
場所:中央区銀座7-8-15 3階 月光荘画廊5
搬入作業も無事終了し、なんとか間に合いました。
朝日新聞の取材も受けましたが、ほんとに掲載してくれるのか?
木曜日、日曜日は会場におります。あとは天気だけが心配。
ZECCHI
欲しいものはここで全部そろう。物欲がフツフツとわき起こる悪魔的なサイトである。白眉はなんといってもチェンニーノ・チェンニーニ著『絵画術の書』に登場する歴史顔料をすべて取りそろえているところ。オルトレマリーノ(ラピス・ラズリ)、麒麟血、鶏冠石など、日本では入手困難な顔料のリストを眺めているだけで、使うあてもないのに思わず注文したくなってしまう。
だが問題は注文方法である。カード払いが基本ながらセキュリティへの配慮は一切ない。メールにカード番号を書いて送るということになるが、やはり不安材料が残る。代替手段としては、FAX・電話もしくは個人情報とカード番号を別に送るなどの配慮が必要。二度目からは個人情報のみで購入できるよう、先方にカード番号を記録しておいてもらうとよい。また、一部の価格表示がイタリア・リラになっているので概算がしづらい。ユーロ立てで見積を出してもらうとよいだろう。
詳しい注文方法がわかりしだい、報告いたします。
Talas Professional Archival, Conservation and Restoration Supplies
写本彩飾を志す人間にとって最初の躓きの石となるのが、金箔細工である。まず道具を揃えるのにかなりの出費が必要となるのだが、少しでも安くおさえたいという方には、海外にネット注文することをお勧めする。国内で揃えるより、おそらく半額程度の出費で済むはずだ。
ここタラスはどちらかというと、ルリユール系のショップであるが、金箔、金泥、めのう棒、箔ナイフ、箔台、箔刷毛、膠、膠筆、アルメニアン・ボーロなど、金箔仕上げに関する画材類は全部そろうはずだ。サンダラック樹脂、魚膠もある。
サイトは全体的に使いやすく、まさにネットショップの王道といったサービスを提供している。ただ、商品数が膨大なため、自分の求める商品までたどりつくのが一苦労である。検索ボックスを上手に活用しよう。
注文フォームは暗号化されるため、カード番号の入力も安心である。配達はFedExがデフォルトになっているが、送料だけで4千円以上になってしまうので、USPS(United States Postal Service〜いわゆる郵便局)をフォームの補足欄にて指定しよう。ただし、仮に荷物が届かなかった場合は自己責任となり、送り主もしくは郵便局からの保証は一切なされないので注意しよう。安心なのは、ちょっと割高になるが保険付郵便にしてもらうことである。わしもこないだ痛い目にあったので、今後はすべて保険付でいこうと思っている。
注文方法がよくわからない場合は、お気軽に相談下さい。
ユザワヤ
筆やスケッチブック、ペン先などの常用品がだいたい揃ってしまう。額縁制作に使うトンボまである。会員になると10〜20%割引の特典が得られるが、入会費が必要。
調理用品や皮細工用品コーナーには顔料の練り台に使えそうな大理石の板が破格で売っている。画材屋で買うとこれまた高いので大いに利用しよう。
ビーズ手芸コーナーでは、ラピスラズリの粉末を固めてビーズ状にしたものを安価で入手できる。これをハンマーで砕き、水簸(すいひ)法で天然ウルトラマリンを作ってみたが、まあまあ使える。(本来はもっとちゃんとした作り方があります)
渋谷 ウエマツ
写本彩飾画家にとっては1F・日本画売場が勘どころ。岩群青(アズライト)、岩群緑(マラカイト)、辰砂(硫化水銀)、雌黄(ガンボージ)などが入手できる。日本画に使う顔料は、細かいほど明度が高くなり、番手も大きくなる。彩飾に使用するばあいは10番手以上が使いやすいが、色が明るすぎても使いにくいので実際に店頭で見ながら選ぶとよい。天然岩絵具はけっこうな値段がするので、処分品などまめにチェックするべし。量としては一両目(15g)で十分である。新岩絵具は合成顔料なので注意。
羊皮紙の表面処理のために使用するプミス(軽石粉)は、日本画でいう「盛り上げ」のこと。「胡粉」はカキの貝がらを砕いたもので、これをプミス、サンダラック樹脂と合わせて乳鉢でよく混ぜ、羊皮紙の表面を磨くと、残留油分がとれ、インクや絵の具の定着がよくなる。
銀座伊東屋
カリグラフィ用品がよく揃っている。左利き用のペン先もあった。ここで購入したウィリアム・ミッチェル社のガイド本『PENS AND Calligraphy』や『カリグラフィー年表 文字発生から現代まで』は薄い冊子ながら見ていて飽きのこない充実した内容。羊皮紙も扱っている(ZECCHI製)が、ベラボーに高い。一枚皮で2万5千円ほど。船便で来るので在庫切れの場合、数ヶ月待つことになる。お金と時間がある人だけにお勧めする。
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作田金銀製箔株式会社
画材屋で買う金箔はベラボーに高い。よって金箔の製造元に直接注文すべし。ここは工房ラピスの筒井先生からご紹介いただいた、八十年の歴史を誇る金沢の老舗である。値段も正純金正三号断切箔最上品(109mm角×100枚)で9千円とリーズナブル。古典額縁制作には欠かせない材料だけに、供給源をしっかり確保しておこう。
〒920-0831
金沢市東山1丁目3-27
TEL 076-251-6777

田中直染料店
インディゴ、イカスミ液、コチニールなど、天然レーキ系顔料が入手できる。特に「精製インド藍ペースト」(20g入)は値段も手頃で、最初からペースト状になっているため、テンペラ画家には使いやすい。店内に並ぶ染料、薬品類を眺めるだけでも楽しい。
「セピア」ってイカ墨の色のことだって知ってましたか?
見た目は真っ黒なんですが、水で薄く伸ばすと実は茶色なんですね。
ヨーロッパ中世の写本制作には欠かせないインクだったんです。
絵具専門店だと結構な値がしますが、さがせばあるもんですね。
ネットの力をあらためて実感。
ここんちのイカスミはすでに粉末状に加工されており、まんま顔料として使える。
卵メディウムも必要なし。
とはいってもやはりゴキブリが寄ってくると困るのできもち鉛白(劇物)を混ぜて使うと良いでしょう。
使用感:金箔の上でもよく伸びる。粘りがあり細かい線もとぎれずに描ける。まさにインクそのものである。
かなりイカくさいのが気になるが。(爪の間にイカ臭が!)
飽きたらスパゲッティでも作るか。