リッシャバとマハーヴィーラ:Jinas Rishabhanatha and Mahavira
ジャイナ教には、ティールタンカラという24人の祖師たちが伝えられている。その最後はブッダと同時代のマハーヴィーラ(左)で、その最初がリッシャバである(右)。
リッシャバは、農業、カースト、法律、政治、宗教などを人々に伝授した人物だと伝えられている。旧約聖書のノアや中国の伏儀のように、彼は聖者としてだけでなく、人類に文明をもたらしたリーダーでもあったらしい。彼はおよそ六十万年生きたのち、聖山カイラスの頂上でニルヴァーナにいたったという。彼は唯一、断髪しなかったジナであり、この彫像でも肩先まで伸びた髪を確認できる。足下には彼のシンボルである牛の像がみうけられる。
マハーヴィーラ(大いなる勇者の意)は紀元前五九九年に、ヴァイシャーリーの近郊クンダグラーマに貴族として生まれ、三十才で出家し、十二年間修行したのち悟りを開いた。その後三十年間布教し、七二歳で没した(紀元前五二七年)と伝えられている。この彫像で彼の髪は伝統的な表現でされており、足下には彼のシンボルである獅子の像がみえる。