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ロカ・プルシャ(世界原人):Loka-Purusha

ロカ・アカシャ(世界空間)に人体イメージを重ねたもの。インド古来から伝わる宇宙生理学的な視点の代表例である。腰の部分にみえるのがジャンブー大陸といって、我々の住む中央界(マディヤ・ロカ)にあたる。直径が十万ヨージャナ(約百三十万キロ)の円盤型をしており、その中央にはメール山(須弥山)がそびえ、大陸と海が帯状に周囲をかこんでいる。二つの太陽と二つの月をもち、インドはこの大陸の南端に位置している。

 腰から下の部分には七層の地獄界(アド・ロカ)があり、それぞれ上から宝石、水晶、砂、泥、煙、闇、濃闇の色をもつといわれている。腰から胸、首、目にいたるまでは天上界(ウールドヴァ・ロカ)を描写しており、神々の住む世界である。眉間にある三日月が解脱界(シッダ・ロカ)をあらわしており、歴代のジナたちはすべてこの世界に到達したといわれている。

(ラジャスターン州ビカネール、1775、細密画)

The Peaceful Liberations Jain Art from India Thames and Hudson社