ラージギル:ヴィーラヤタンの尼僧
ラージギルにあるジャインコミュニティ「ヴィーラヤタン」にて。ここの尼さんたちは、白衣派のサブセクトである「スターナカヴァーシ」の流れに属している。スターナカヴァーシとは「お堂に住むもの」という意味だ。彼らは偶像崇拝、儀式、巡礼といった活動は、聖典に根拠がないとしていっさい認めない。そんな腐敗の原因は「寺院に住む」ことにありとして、それまでの慣習すべてにノーといったジャイナたちなのである。 「欧米からはよく訪問を受けますが、日本からははじめてです」 シュバムさん(写真)は驚いたようすながら、まず冷水と甘菓子でもてなしてくれた。 スターナカヴァーシの僧には法名がない。だからシュバムというのも本名だそうだ。彼らはそんなハクつけさえ嫌うのである。むかしプーナで自分の弟子に「シヴァムルティ」とかつけて喜々としていた自称グルがいたが、あんなアホなマネはしない。さっぱりしたものである。 ヴィーラヤタンではチャリティーの実践として、「アイ・ホスピタル」を運営している。これまで四万人からの眼手術を、すべて寄付のみでまかなってきたのだという。病院前では朝も早くから、眼帯をした土地の民が長蛇の列をつくっていた。「不淫戒があるから、握手することもできないのですね」 そうぼくがいうと、シュバムさんは申し訳なさそうに軽くうなずいた。 (撮影:奈良 仁、1994) |