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White Eagle

Tangerine Dream, Edgar Froese

White Eagle 
1982年発表。前作「Exit」でやり尽くしたか、ここあたりからテンションが降下しはじめる。フローゼの継続的なソロ活動、意欲的なライブ活動、膨大な数にのぼるサウンド・トラック制作により習得したものを、各自持ち寄って集成する、もしくは新機材の可能性を錬金術的な密室作業により追求し、その成果の発表というのでもなく、スタジオワークならではの凝った音造がのぞめない。果てしなく続く機材との格闘に疲れが見えたのか。

と、つい辛口がすぎてしまったが、裏を返すとポップ・テイストがただよう聴きやすい曲想ということもできる。タイトル曲「ホワイト・イーグル」はたった4分半という短さだが、決して饒舌にならぬ素っ気なさが逆にリスナーの夢想を掻き立て、無限の時間を供給している。ドイツで放映された人気テレビアクションシリーズである
「Tatort: Das Mädchen auf der Treppe」にも採用され、彼らにとって初のヒットシングルとなった。

A1の「Mojave Plan」(モハビ砂漠保護計画の意か?)は当時ミュンヘン・フィルハーモニー・オーケストラが演奏したと伝えられている。弦とパーカッションに一体どのようなアレンジがなされたのか、ぜひ聴いてみたいところだ。

B1の「Midnight In Tula」はアップダウンの激しい派手めの曲。昔のファンならば耳を覆いたくなるようなノリノリ・イケイケ・サウンドながら、音色は硬派なままのでそのギャップが面白い。仏頂面してタップ・ダンスを踊っている感じだ。

LPではB2にあたる「Conventon of The 24」は、エドガー・フローゼのソロ「Pinnacles」を彷彿とさせる彼独特の不思議なリズム感をもった曲。

以降のタンジェリンはシンプルで短い曲に冴えをみせ、ダンサブルでさえあるが、これが従来のファン離れを引き起こした要因かとも思う。

by nara : 2005年11月26日 08:23