Hourglass
おもえば9年まえ、新星堂の試聴コーナーで出会い、速攻でレジにかけこんだのがコレ。70年代のソウル・ミュージックを思わせる、アナログ感全開の「いつかきっと」をはじめ、東子さんの持ち味が一気に花開いたアルバムです。
はじめて聴いたとき、貫禄ある堂々とした歌いっぷりから、下積みの長い実力派シンガーなんだろうなと思っていたら(ジャケも大人っぽいし)、とっても若いのにおどろいた。この器のデカさはユーミンを彷彿とさせる。
Zero Set
プランクが関わったアルバムで個人的に最も好きなのがコレ。ピコピコ・リズムをこれだけ過激に使いこなす音楽がこれまであっただろうか。ドラムが打ち出すリズムもとんでもない。ちょっと聴いただけではヴォーカルが入っているのがわからないところもエグイ。ダ作ばかり出していたスカイとは思えぬ快心作。A面ラストの「Pitch control」の激烈さは低音を最大限に効かして体で聴かなければ意味ナシ!!B面は割と大人しくなってしまうのが実に惜しいが、まあ、許してあげよう。82年にこんなアルバムを出してしまうなんて、やはり、驚き。(ミニヨンvol.8 長崎)
Rage in Eden
第1期UVの影を払いのけ、よりロマンティシズムとエレクトロニクスとのコントラストを強化したのが本作2nd。ジョン・フォックスの「ザ・ガーデン」に感じられる「自然への永劫回帰」とは趣を異にした、より自己に埋没するような黒さを秘めている。ミッジ・ユーロのVoは哀しみをたたえ、憂欝な影を思わせる深いリヴァーブを引き摺りつつ、ウォーレン・カンのハンマービートは胸の鼓動を刻みつづける。そこを縫うようにB・カーリーのヴァイオリンが、黙々と過ぎ去りし日々を懐述する。ラストまで狂おしいほどメロウに徹しながらも、電子的な後味がのこる本作は、英と独の理想的統合といえるであろう。(奈良)
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