ポップを偽装したハード・エレクトロ
81年。通算16作目(ベストをのぞく)。暗い。救いようがなく暗い。まさに出口なしである。ヨハネス・シュメーリンク加入後のタンジェリンは、透き通るような見晴らしの良さが特徴だが、EXITだけは別だ。
外見はポップを装っても実体はハード・エレクトロであり、当時の息苦しさというか、欧州各国の閉塞感を見事にスナップした架空のサウンドトラック集といえる。考えてみれば東西ドイツ統一、ソ連崩壊の十年も前の作品だ。東西ベルリンに垂れ籠める暗黒の霧のようである
続きを読む: Exit
COMMENTS