82年ソロ作。確か浪人中に仙台のレコ屋で発見、ジャケ一見でスルーした記憶がある。予備校生の乏しい小遣いではこの怪しいブツに投資する勇気はなかった。フローゼ本人が映画に出た低予算映画だと本気で勘違いしていた。
見たとおりB級感満載のジャケだが中身はさすが黄金期。王道エレクトロとしてあと3年は品質保証できる。この時期のフローゼは何をどうやってもいい出来になる音工法を確立。サントラとして葬るにはもったいない気持ちよさだ。
80年代初期シンセの音色をたっぷり封入、次作「Pinnacles」ほどあからさまなエスニック感がなくサイバーに仕上がっている。
これが気に入った方は、同じくサントラ盤の「Thief」(1981) 「Flashpoint」(1884)もぜひ。もしジャケで購入をためらっているのならどれも自信をもっておすすめする。
サイバーパンクムービーの先駆け
82年「ブレードランナー」、85年にはテリー・ギリアム監督作「未来世紀ブラジル」がヒットしたという、サイバーパンク創世期。「Kamikaze 1989」もその勢いに乗じた作品と思われる。日本では「未来世紀カミカゼ 」という開き直ったタイトルがつけられた。ブレードランナーは2019年の未来社会を描き、Vangelisを起用したが、本作は予算の関係か7年後という設定。奇しくもベルリンの壁崩壊と一致した。ドイツではかなり有名な監督、俳優による映画らしく、ゆうばり国際ファンタジック映画祭1990年参加作品ともなっている。ぼくが思いだしたのはデンゼル・ワシントンとラッセル・クロウという二大スターが競演する「バーチュオシティ」(1995)だ。こちらも一見B級だがビー・ジーズのディスコサウンドにあわせてまだ売れる前のラッセル・クロウが街を闊歩するシーンはなかなかキマっていた
Rainer Werner Fassbinder主演
Wolf Gremm監督
Side A
Videophonic
Vitamin C
Krismopompas
Police Disco
Intuition
Police Therapy Center
Side B
Blue Panther
Snake Bath
Unexpected Death
Flying Kamikaze
Tower Block
The 31st Floor
Virgin V2255 1982
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