Zuckerzeit
チープなリズム・ボックスにギターのうねうねリフが非常に気色悪い。ヘッドフォンで聴いていると正に拷問だ。音のメッセージを探ろうとしてしても無意味だ。演ってる本人たちの頭の中は空っぽだ。激しい戦場の中を何事もないように観光旅行に興ずる某国の集団、エジプトのピラミッドのそばに置かれた自動販売機。クラスターはそんな奴らなのだ。"私に何を伝えたいの?"と問いかけても、何も帰っては来まい。心を大切にする人間の感性ではとても理解できる音楽でない。これが傑作だといえるあなたはもはや地球人ではなく、大くま座星人だ(井出)
"ツッカーツァイト"はミヒャエル・ローテルをプロデュースに迎えてのポップな作品。近未来社会のテレビCM集、もしくはテクノ・オールディーズとでもいえそうな愛らしい作品がいろいろ詰まっている。チープシックな機械音がスカスカの電子空間を彩る様は、甘ったるい時間(ツッカーツァイト)のタイトルの通り、駄菓子屋で味わうサッカリンのキャンディみたいだ。歩く速さに合わせてリズムボックスが淡々と時を刻むところなんか、貧血気味のレゲエといってもいい。これが傑作だといっている私はやはり、大くま座星人なのだろうか。(奈良)
リズムマシーンとシンセ(Davoliなんて使ってる)中心のデュオ。前衛的(当時としては)な音響デザイン風の曲調で、彼らとしては初めてマトモな音楽の体裁を整え始め(失礼!)、ポップな印象の曲も含む作品。73年のM.ROTHERとのトリオHARMONIAでの録音体験が活かされているのか。とはいえポップス・ロックになじんだリスナーが本作に歩み寄るのはかなり困難なことではなかろうか(偉そうに!)。絵を観る、自然音に耳を澄ます、又は水中をイメージしながらプールの飛び込み台に立つ時の様なつもりでレコードをかけよう(何言ってんだか!)。
(ミニヨンvol.5 村本)
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