Poland
1983年12月10日、ポーランドはワルシャワでのライブ・アクト。ヴァージンから離れ、ジャイヴ・エレクトロなる新興レーベルに移籍後の、第1作目にしていきなり2LP(1CD)という物量だ。
以前から積極的に東欧でのライブを試みていたせいか、写真でみるかぎり客の入りもよい。ポーランド領の湾岸都市グダニスクからはるばるファンクラブまでかけつけていることがインナースリーヴからうかがい知れる。
一部シングルカットされて、当時変形レコードが出回ったが、我が国では「ワルシャワ・イン・ザ・サン」というタイトルで12インチシングルとしてリリースされた。帯のコピーは「つれづれに、アバンギャルドな夢をみる。寒い国からとどけられた夢幻ライヴ」。ワルシャワの冬は確かに寒い。ライブ当日もおそらく氷点下まで冷えこんだことであろう。
さて内容であるが、これは本当によい。東欧での歴史的ライブに賭けた彼らの意気がオーラのように輝いており、持てるものすべてを惜しみなく投入した、まさに渾身の出来ばえである。各曲20分前後で各面にほどよくおさまり、統一感あり、四部作といっても可。先端機材がこれ以上ないほどヒューマンな香りをたたえ、また「Ricochet」(1975)でみせたフランケの派手なドラミングが、シンセ・ドラムながらも帰ってきた。
以前から手がけてきた非西欧的なアプローチも積極的に顔をだす。この方向性は前作の「 Hyperborea 」(1983)からの流れを汲むもの。シークェンスによる音列反復がちょうどドローンのような効果を生みだし、リスナーは旋法への催眠的な"引き込み"を余儀なくされる。それも西欧的構築美をともなっているところが70年代のステージとは大きく異なる点だ。
終曲「ホライゾン」はまさにフィナーレといっていいくらい高揚し、おもわず目を閉じてしまう。このあたりの手堅いアレンジは、80年初頭からタンジェリンに参加した"第三の男"、ヨハネス・シュメーリンクによるものであろう。
全80分、飽かず、疲れず聴き通せる。結成15年目にしてこの集中力、その源はいったい何なのだろう?
使用機材:
クリス・フランケ
PROPHET 5
PROPHET 600
PROPHET 1
E-MU EMULATOR
E-MU COUSTOM PROGRAMABLE SYNTH
MOOG CUSSTOM PROGRAMMABLE MODULAE SYNTH
MTI SYNERGY
RE POLYHYTHMIC SEQUENCER
COMPULAB DIGITAL SEQUENCER
SYNTEC CUSTOM DIGITAL DRUM COMPUTER
SIMMONS DRUM MODULES
ROLAND SDE-3000
HILL MULTI-MIXER
エドガーフローゼ
YAMAHA DX-7
YAMAHA YP-30
ROLAND JUPITER-8
ROLAND JUPITER-6
PROPHET 5
PPG WAVE 2.2
RE POLYHYTHMIC SEQUENCER
EEH CM 4 DIGITAL SEQUENCER
DMX OBERHEIM DIGITAL DRUMS
RE CUSTOM TRIGGER SELECTOR
PUBLISON DHM 89 B2
PUBLISON KB 2000
KORG SDD-3000 DELAY
ROLAND SDE MIDI/DCB INERFACES
QUANTEC ROOM SIMULATOR
CANPRODUCT MIXER
ヨハネス・シュメーリング
ROLAND JUPITER-8
PPG WAVE 2.3 WAVETERM
EEH CM 4 DIGITAL SEQUENCER
BOHM DIGITAL DRUMS
ROLAND TR-808 DRUMS
MINI MOOG
KORG MONOPOLY
ROLAND SDE-3000 DELAY
CANPRODUCT MIXER
MXR DIGTAL DELAY
BOSS OVERDRIVE/FLANGER
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