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デザイナー色を好む 第三回

色彩科学

 プリズムを使ったニュートンの実験や光の三原色を考えたヤングが代表です。人間の目にはRGB(レッド、グリーン、ブルー)を感じる細胞があり、そこから信号を受け取った脳が合成して色彩をつくりだすといわれています。このRGBの三原色の組み合わせで色をつくるものとしては、身近なものではテレビがあります。(会社で使っているパソコンももちろんそうです)

画面で擬似的に実験してみましょう。これらの色を重ねてみると、印刷のインクでよく使われてるCMY(シアン、マゼンタ、イエロー)があらわれます。RGBすべてを重ねるとホワイトをつくることができます

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ゲーテはこれに猛反対して、色彩はその存在の本質にかかわっていて、単に何色にみえるのはこういう原理からだ、とかでは説明できないとして色彩論を書き上げます。ここから科学的なとらえかたとは違う、もっと霊的なドイツ色彩論が始まります(ルドルフ・シュタイナーに継承される)。

色彩の本質

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シュタイナーの黒板絵

 ゲーテに代表される、ゲルマン人のディープな色彩論によれば、色彩とは魂の像そのものであるといいます。鉱物、植物、動物、人間、霊的存在へと進化するにしたがって、それが色彩に表象されるというわけです。

 モンドリアン、クレー、カンディンスキーなどは、このゲーテからシュタイナーまで継承されたドイツ伝統の色彩論を採用しました。バウハウスに代表されるモダンデザインの巨人たちは、ともすれば合理性と抽象性のみが強調されがちです。しかしその底辺にオカルティズムが横たわっていることを忘れてはいけません。

 ニュートンに代表される色彩科学によれば、個々の事物の色の違いをこう説明します。

「なぜこの物の色は緑なのか。それはこの物は赤を吸収してしまい、赤だけを外へ反射するから」

しかし、ゲルマン人である彼らはこう茶化すのです。

「なぜこの人間はバカなのか。それはこの人は利口さを吸収してしまい、バカさだけを外へ投げ返してしまうから。こんなアホな論理があるだろうか」(つづく)

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