抗がん剤治療がやっと終わったかと思ったら白血球が5千で下げ止まり、その後だんだん増えてまた1万の大台に乗ったのでアルケランという飲み薬の抗ガン剤を毎朝食前に飲んでいる。あいかわらず輸血も入るしこのまま家に帰れず死ぬんだろうかとたまに不安になったり、いやいや焦ってはいけない、今しんぼうすればまた家でおいしいごはんを食えるんだ、食ってみせると奮い立ったりと心を揺さぶる毎日である。
そんなときは病気のことなどきれいさっぱり忘れて手仕事に励むのだ。
リハビリ科でスピーカーユニット裏の鉄心に穴開け、タッピングの訓練を2回やった。1回目は慎重になりすぎてスピーカーを熱くしてしまった。磁石は熱に弱いのでこれではいけない。
そこで2回目はまずボール盤で3mmの下穴をあけ5mmのドリルで一気に8mmの深さまで掘った。作戦成功である。
練習で手応えを確かめたところでいよいよ本番ブナコスピーカー用10cmユニット(Parc Audio)の穴開けに挑戦。このユニットは防磁型なのでユニット内部の構造がいまいちよくわからない。そこでまず下穴を開けて中をのぞいてみると、なんと鉄芯のど真ん中にネジがみえる。ああそうか、ショートリング(コーン中央の銅製のキャプ)固定用のネジだ。ということで穴あけもねじ切りも実は最初から必要なかったということがわかってしまった。
最初に下見をしておけば穴開けやタッピングの練習の必要もなかったんだ。でも楽しかったし腕に力がついたので顔は生き生きである。
ネットでUltrafire正規品のリチウムイオン充電池18650(保護回路付)と充電器が安く手に入った。エネループのモバイルブースターは5Vしか出せないので自作デジタルアンプ用の12Vバッテリーパックを自作することにした。
リチウムイオン電池は保護回路付とそうでないのがあって、保護回路付電池は回路の厚みぶん電池が長い。なので18650用のバッテリーケースには収まらない。そこでバッテリーケースのスプリングを全部とって銀線に半田を盛って端子がわりにして強引に結線した。
3.7V 2400mAの電池3本を挿入しテスターで測定してみるとしっかり12V以上の電圧が表示された。これでほとんどのデジアンをバッテリー駆動できるだろう。
実際に音を聞いてみた。パワーがあって元気のいい音だが、どこかにぎやかというか、うるさい感じがする。リチウムはエネループに代表されるニッカド系のように強磁性体ではないのでもっとやわらかい音がするかと予想していた。もうちょい使いこむと音も落ち着いてくるかもしれない。
それと当然といえば当然なのであるが、バッテリー駆動にしたらハム音がきれいに消えた。通常は商用電源からコンセントからとるとノイズも乗ってしまうのでアース対策などが必要になる。バッテリーならば商用電源と完全に絶縁できるのでフルボリュームにしてもハム音がまったくでない。
さっそく食堂にもちこんで湘南BeachFMを聞きながらこのブログを書いている。
さすがに裸のままではみっともないのであとはこのアンプとバッテリーを納めるケースをデザインして、またリハビリ科で工作したい。いよいよ木工ですよ
Jinさん
はじめまして、OZと申します。
写真家・小島一郎で検索してたどり着きました。
私は1965年生まれで、Jinさんと同年輩ですね。
89年に学校を出てからずっとコピーライター/クリエイティブ・ディレクターとして都内で広告関係の仕事をしてきました。ちょうどMacによるDTPの黎明期で、私たちの世代が
写植やペーセメ、NTカッター、ラバクリで版下作りをした最後じゃないでしょうか。自己紹介の記事を拝見して懐かしく思いました。
2000年頃から急に銀塩モノクロ写真とカメラにハマり、
ここ数年「小島一郎」を意識するようになりました。
特に「小島一郎写真集成」を入手してからはさらに加速w
Jinさんの記事にあった「フォトアート63年6月号」も
ヤフオクで入手しました。「カメラ毎日63年9月号」がなかなか手に入りませんねw
回顧展「小島一郎 北を撮る」を見られなかったのがじつに残念です。あれだけの規模の回顧展は今後あるのかどうか.....
私は今年の春にリストラに遭い、広告代理店を追われ、フリーとは名ばかりで仕事も無いまま貯金を切り崩す生活をしています。不安と焦燥にもがく中、小島一郎の写真と生涯に
勝手に思い入れしてるだけなのかもしれませんが......。
長々と失礼いたしました。
何度も拝見していたのにJinさんが闘病生活されていることをさきほど初めて知り、日々日記を更新されているのを見つけてつい書込みしたくなってしまいました。
病状の安定をお祈りしております。ではでは。
OZさんはじめまして。ブログ読んでいただきありがとうございます。「小島一郎写真集成」の解説を書かれている高橋しげみさんと飲みながら話したことがあるのですが、小島一郎の死因は公にはなっていませんがどうも酒の飲み過ぎが直接の原因だったようです。そこらへんは津軽の男らしい最後でした。
私も回顧展を見逃した口ですが、さいわい青森県立美術館の常設展示で見ることができました。写真集もすばらしい印刷でしたが、現物とはまったく別物でした。
高橋さんとは奈良美智展のお仕事で今年ご一緒しましたが、今度お会いする機会があったら小島一郎展の今後の可能性もきいておきたいと思います
Jinさん
レスありがとうございます。
そうですか...酒の飲み過ぎでしたか...。
先週、青森市の古書店から
「あおもり草子」という雑誌(タウン誌かな)を入手しました。
94年の「特集 小島一郎 風韻遍路」というものです。
「小島一郎写真集成」の巻末にも資料として表記されていたので取り寄せたものですが、ページ数は少ないもののなかなか充実してました。
奥様の小島弘子さんや北陽会の写真仲間・鎌田清衛さんの
手記などもあって、これは貴重ですね。
昨日も古書店サイトで見つけた「写真試論VOL1」という雑誌?を発注しました。写真家・大島洋の評論「小島一郎の風景」が掲載されているはず。
以前、よく東京・新宿のギャラリーPLACE-M内にあった(現在は近くに移転しました)蒼究舎という出版社/写真専門古書店に出入りしてまして、店主/編集者の太田通貴さんと話す機会が多かったのですが、彼はずっと小島一郎に入れこんでました。「小島一郎写真集成」の謝辞にも名を連ねていたので、あああの人らしいなと懐かしく思いました。確か2004年にヒステリックグラマーの出版した小島一郎の写真集の編集もしてたんじゃなかったかな。
「小島一郎写真集成」は素晴らしい一冊だと思います。これがあれば、作品も作家の背景もほぼ網羅できる。装丁も造本も小島一郎にふさわしい。好きな人たちが丁寧に作ってくれた感じが伝わってきます。買って良かったと思える写真集はそう多くありませんが、これは間違いなく近年のベスト。
ずっと手元に置いて手放さないでしょう。
高橋しげみさんに宜しくお伝えください。ではまた。