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モーニングコーヒー哲学

治療が終わっていちばんうれしい瞬間。それはブラックコーヒーを飲めたとき。抗ガン剤の副作用といっても十人十色で何がでるかはフタをあけてみないとわからない。しかしぼくのばあいきまって口内炎である。

治療=口内炎=コーヒー飲めない=ドトール行けないだから、治療中はたいへん機嫌が悪い。先生たちや看護師たちにもアタリがきつい。

しかし治療が落ち着いて口内炎も日増しによくなり、ついにブラックコーヒーを一口飲めたときはまさに干天の慈雨、五臓六腑...と四字熟語がブワーッっとあふれだす。

中学生のころ村上もとかのF1レース漫画「赤いペガサス」のドーナツ盤(当時はアニメになってないのにレコードがよくでていた)の歌詞が「オレの血はガソリンの匂いがする」だった。

カルディのマンデリンフレンチ・ダークローストをホールトマト缶やオリーブオイルといっしょにネット注文し家に届けさせコーヒー豆を挽かせて洗濯物といっしょにもってきてもらう。

缶を開けると珈琲の薫風が病室いぱいにひろがる。検温にきた看護師も「いい香りだね」と反応する。

思わず缶の口に鼻を押しつけて吸引する。まえに嗅ぎすぎて鼻にコーヒー粉が詰まってしまいたいそう苦しんだがどうしてもやめられない。

詰め所前の電気ポットは適温である90℃にいつも設定されており、さらに「ドリップモード」というボタンを押すとゆっくりチョロチョロのまさにコーヒー抽出専用湯が出る。

蒸らしたり注いだりをしている間に同じく詰め所前にある体重計や血圧計にのったり腕を入れる。

血圧や脈拍がプリントされるころには一杯のブラックが詰め所まえで薫風をまき散らしている。看護師さんから「いい香りだねえ」と声が聞こえる。

病院に足りないのは音楽と珈琲の香りだ。このふたつが院内あちこちで漂うようになれば、医師も看護師も患者のあいだの潤滑油になるのではないか。せめて1階のドトールだけでもボサノバとかBGMかけてほしい。

採血して、検温に来た看護師に体温とオシッコとウンコの回数を書きこんだ血圧プリントをわたし終わればあとはフリータイムである。

まだ同室の患者たちが寝ている朝5時半、自作超小型アンプ、スピーカー、Pocket WiFI,、iPhone、キーボード、そして仕上がった珈琲を歩行器に積んで食堂出勤。

湘南BeachFM(ブラジル音楽がよくかかる)を聴きながらATOK Pad にひたすら書き殴る。何を書くかはそのときになってみないとわからない。明日は絶対キケ・シネシのことを書くぞと決めて床に臥したが、なぜか一杯の珈琲について書いている。

「ドトールの珈琲っておいしいの?」と千葉の田舎に住む友人からメールが届いた。narjajinさんのブログによくドトールが出てくるので行ってみたくなったのだという。
ドトールの珈琲ははっきりいってあまりおいしくない。それでもぼくがドトールを好きな理由はみんさんもよくおわかりだろう。

友人にはこの記事をまず読んでみてくれと返信した。

と書いてるうちに7時をすぎた。朝ごはんは給食でなく、家からもってきた玄米パン(神奈川県の店「香麦里」)をトーストして友人から頂戴した高級オリーブオイルをたっぷりまぶしその上にサラダ菜、トマト、スライスチーズ、ローストハムをはさみマヨネーズをたっぷりかけてパンで蓋をしさらに垂直カットし断面の地層をまず目で食べ愉悦する。それから口で極楽する。

今日は玄米パンを切らしたので、昨日まずくて半分あましたミラノサンドCの具をチンし、パンだけトースターで焼いて食った。

さあ今日はいよいよバンダポロロッカ。ノドが痛くてカゼぎみ肺炎ぎみだがひさしぶりに会うボサ友たちといっしょに思いっきり楽しませてもらいます。

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