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87.色彩

「鋭敏な感性だけ摘みとられていく、この不条理な天の配剤が怨めしい」

1990年、イタリアの作曲家ルイジ・ノオノが亡くなったとき、武満徹はこうつぶやいた。

そして1992年、ジョン・ケイジとオリビエ・メシアンの死。彼等は現代音楽の精神的支柱たる存在であったから、天を怨むのは武満だけではなかったであろう(*)。メシアン死去の4年程前に超大作「アッシジの聖フランチェスコ」完成のニュースを聞いたとき、「これが遺作になるのでは...」と正直思った。実際にはその後3つほど新作を書き下ろしたものの、やはり最後の代表作となってしまった。

友人に録ってもらった「アッシジの聖フランチェスコ」を聴く。人の合唱と巨大な楽器群が、疾風怒濤のごとく責めぎあうヘヴィさにまず圧倒された。制作に要した8年の歳月が、4時間に濃縮されているといった印象である。この巨大な編成はすべて、彼のパレットを何千種という多彩な「色」で満たすために用いられた手法であろう。特に打楽器と管楽器の絡みなど、極彩色がすぎるくらいだ。

こうしてみると、メシアンの音楽それ自体が、色彩以外の何者でもないように思えてくる。例えば14世紀フランスの音楽家達が、旋律そのものをコロル(color=色)と呼んでいたように。またインドの聖典が、「耳から入り込み、精神を着色するもの」と音楽を諭すように。とすれば彼が「トゥーランガリラ交響曲」という異教的人類愛に行き着いたのも、キリスト者としての自我と、東洋的宇宙観とが有機的結合を果たす幻視の世界に、「色彩」をキータームとして到達したからではないか。

視覚と聴覚の相互関係という末端的解釈にとどまらず、色彩を生み出す根元に着眼してこそ、メシアンの音楽は生気を帯びてくるように思うのだが。(2004.02.14記)

(*)ご存じの通り、武満徹も1996年に他界した。

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