NECの開発者が「モバイルギアの四原則」について語っている記事をみつけた。「モバイルギア」はぼくらの世代には懐かしさをもって語られることの多いモバイル端末で、乾電池で動きキーボードも良質であったためライターや編集者などいわゆる物書き稼業の人にもユーザが多かったのを記憶している。
「モバギ」の4つの原則を踏襲し、モバギ越えを目指す新端末〜NECがLifeTouch Noteに込めた想いを開発者に聞く
モバイルギアの四原則
- 瞬間的に起動する環境の実現
- 操作性の高いキーボードの採用
- 1日外出しても利用できるバッテリ駆動時間を持ったモバイル性
- モバイル環境で利用するのに最適化した独自アプリケーションの採用
これを見て誰もが真っ先に思いつくのはポメラであって、モバギの時代から10年たった今でもノートPCには厳しい条件ばかりだが、NECでは新端末「LifeTouch Note」の投入により、かつてモバイルギアが担っていた市場を「スマートブック市場」として広めていきたいと話している。
スマートブックとは要するに上記四原則をキーボード付きのAndroidでいってみようということらしい。検索してもあまりヒットしないところをみると「スマホ」「ネットブック」のようには社会に認知されないまま消えそうである。
それより印象に残ったのは、花岡さんの「書き殴ることができるツール」という表現だ。渡邉さんも「単に情報消費だけでなく、情報生産が可能な端末という位置づけ」だとしているように、スマートブックの主なターゲットはライフロガーたちということになるだろう。
カフェで一息ついたときや電車のなか、寝しなのちょっとした空き時間にブログを打てる環境があったらなあ、と潜在欲をもっているライフロガーは自分もふくめて決して少なくないと思う。そんなのスマホでじゅうぶんじゃん、と言われそうだが問題はスマホのディスプレイとソフトウェアキーボードで1000字ほどのまとまった文章を打つ気になるかどうかで、NECの渡邊さんもスマホユーザが増えるにつれて必ずこの不満点が浮き彫りになるといっている。
加えてiPhone の日本語変換はハッキリいってバカッチョすぎて実用に耐えない。SMSやTwitterなどの短文入力すら自分はする気にならない。みんなよく我慢してるなと思う。
ただ外出時はかならずスマホをもっているわけだから、あとは 軽くて打ち心地のいいBluetoothキーボードとATOKがあればスマートブックなんていらないというシンプルな結論に落ち着く。つまり、NECのようにノートブックPCをどんどん小型にしてスマホに近づけなくても、スマホ+キーボードというスタイルこそ、むしろモバイルギアの四原則をよく満たすんじゃないか。
ちなみにnarajin.netはどういう環境で書いているのかというと、iPhone+AppleBluetooth keyboard+ATOK Pad for iOS でまず書き殴り、Evernoteと同期しといて、アップ前の修正のみMacbook Air上でやっている。インプットはスマホ、アウトプットはノートで、とフローをはっきり分けたことで場所を選ばず長文を書けるようになった。
バッファローが今月ポメラのキーボード部分だけを発売した。文章を書く人が一番こだわるところを良くわかってるなと思った。これとスマホがあれば、スマートブックはいらない。
そのポメラは今後どうなるのか。おそらく次の機種はキンドルのような電子書籍リーダー機能の搭載が予想される。キーボード付きであるという利点を生かし、それを抜き書きしたり内蔵の電子辞書で調べたりできる「デジタル読書メモ」とでもいうべき立ち位置をねらってくるのではないだろうか。
今年10月発表と噂のあるAppleの7インチタブレット「iPad mini 」も気になるところだ。LifeTouch Noteと画面サイズがほぼ同じだから長文入力にもほどよいサイズといえる。
などなど考えると、やはりモバイルギアをスマート化するよりもスマホをモバギ化するという逆の発想のほうがアクセサリ(ケース、スタンド、予備バッテリーetc...)やアプリも増えてライフログ環境はより楽しくなるとおもう。
次回はその一例としてnarajin.netの書き殴り環境について書き殴りたいとおもう。
コメントする