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人と比べる不幸せ

バルバラ・ベルクハン著 『ムカつく相手を一発で黙らせるオトナの対話術  』阪急コミュニケーションズ

自分が優位に立つためや認められるために他人と争う人は、とても欲求不満の多い旅に出ることになります。むろん、もしかするとうまくいき、まわりから認められ、優位に立つことがあるかもしれません。けれども結局のところ、自分で脚光を浴びるように仕向けたから喝采されたにすぎません。もし私たちが自分の優位を振りかざさなかったら、人々はそれでもまだ称賛してくれるでしょうか?

人から認められようとして競争することによって、たえず人と比べるという不幸が始まります。だれのほうが偉い。だれのほうが多く持っている? だれがいちばんいいものを手に入れた?

その際、私たちは、だれもかけがえがないこと、したがって比較できない存在であるということを忘れています。これは個人的な尺度であり、自分にとって何がふさわしいかを示してくれるものです。けれども、他人と比べているかぎり、私たちは他人の尺度で自分を計ることになります。他人が価値があるとか正しいと思うことを受け入れているのです。競争しているとき、私たちは個人の生き方を捨て、その結果、自分を見失ってしまいます。

ちょっと考えてみてください。競争をやめようと、と。どうでしょう? 肩の荷が下りたような気分になりませんか?

そうなったときにはじめて、あなたは本当の評価を受けるのです。それは、あなたが本当に必要とするもの、つまり自分で自分を認め、良しとすることです。決して他人ではありません。

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