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白血病が再発した

実はまだ実感というか、現実味がまるでないのであるが、白血病が再発したから入院しなさいと医師から急ぎの電話があった。先月はじめの血液検査では何ともなかったのに、ここ1カ月で急激に状態が悪化していたらしく血小板が3分の1以下に激減していた。骨髄の検査(マルク)でも悪性腫瘍がすでに50%にまで増えていた。あまりの突然さに実感がまだおいついていない。

たしかに体重の減り方が異常だったし、原因不明の熱にずいぶん苦しんでいた。今から思えばそうだったのかということばかりだが、昨年11月に移植後5年たって自分も医師も白血病は完治したと安心していただけに、ショックを通りこして言葉もでない。

実は6年前、同じく白血病になったときとかなりシチュエーションが似ている。あのときもWEBのシゴトに悩殺されて納品が終わった5月にぶっ倒れたのであるが、今回もまったく同じパターンだ。精神と白血病の関係についてはまだ科学的に立証されていないが、主治医によれば、ナチュラルキラー細胞(がん細胞の殺し屋)の働きがストレスによって低下するという説があるそうだ。科学的には説明できなくても、経験的に納得がいった。ぼくは6年前と同じ大失敗をしてしまったのだ。命よりもシゴトを優先するという間違いを。

明後日には中心静脈カテーテルの挿入の手術をする予定だが、血小板が少なく血が止まらない危険があるので、先に血小板の輸血をすることになりそうだ。

口の痛みを抑えるために今年から免疫抑制剤を増量してきたのに加え、疲労やストレスで免疫力がかなり低下していたらしく、悪性の細胞が一気に増殖したらしい。もっとまめに通院して腫瘍マーカーの検査をやっていればよかったと悔やんでも後の祭りである。

免疫抑制剤を減らしていき、まずはGVL(移植片対白血病)に期待するしかないが、これだけ悪性の腫瘍が増えてしまっては掃除が追いつかないかもしれない。いま自分にどれだけGVLの力が残っているのか不安だ。

実は以前にも再発の危機があったのだが、そのときは早期に発見できたのでGVLでやっつけることができた。あのときの奇跡をもういちど願う。

とにかくこうしてやみくもに書くことで心を落ち着けるしか今はできることがない。自分の体が耐えられるかどうかというより、心がもういちどあの地獄に向き合うことができるか。それこそがこの漠とした不安の根であろう。

もう自分の力ではどうにもならないことはわかっているし、医師や看護師、家族、友人たちの助けを借りなければ一日ももたないだろう。最後のところは自分を生かしている何ものかが自分をどうしたいかだ。

その何ものかは、6年前に死にかけたとき、6年という時間をくれたが、いまぼくからまた生きる時間を、人生を奪い去ろうとしている。

自分がほしいのは、この痛みや苦しみをきれいさっぱり取り去ってもらうことではない。むしろ神さまにひとつだけお願いするとしたら、苦しみに耐えるだけの勇気をぼくにくださいとねがう。

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